研究概要 |
難揮発性物質の生成法 高温を炭素の加熱で発生させ,様々な難揮発性物質を炭素と共に蒸発させる.これを空気中で熱処理すると,炭素は酸化して炭酸ガスとなって蒸発し,難揮発性物質の酸化物が生成する.また,真空中で熱処理すると炭化物が生成する.この新しい方法によりCeO_2,WC,ZW等を創製した.これらは通常の方法で蒸発させるのは困難である.この方法の開発により,これらの物質の薄膜が簡便に経済的に得られるから,これらの基礎研究が発展し新しい工業製品の創製に有益となることが期待される.現在論文を準備中である. 薄膜と微粒子の反応によるSiCの創製 難揮発性惑星起源物質であるSiCを,CとSiとの固相反応でその成長機構を明らかにした.C薄膜とSi微粒子の組み合わせでは,室温でC原子がSi粒子の中に拡散し反応してSiCが生成する.隕石中で観察されるSiCが低温で生成したならば,原始太陽系の形成のモデルに大きな影響を与える可能性がある. 酸化珪素およびFeまたはMgを含んだ酸化珪素の構造と赤外吸収スペクトルの関係 酸素リッチスターなどから届く赤外スペクトルのある吸収を酸化珪素、MgOやFeOに起因していると解釈している。赤外吸収スペクトルは構造に敏感で,その構造とスペクトルの関係を知ることは宇宙空間からのスペクトルの解釈に極めて重要である.アモルファスSiOはSiとα-クリストバライトの微結晶からなっていることを明らかにした.熱処理により、その構造が変化し、それに伴ってスペクトルも変化することを明らかにした。SiOの熱処理による変化がFeやMgの存在により大きく影響され、スペクトルも構造の変化で敏感に変化した。
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