研究課題/領域番号 |
08640573
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
加納 隆 山口大学, 理学部, 教授 (60108264)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 飛騨帯 / 飛騨片麻岩 / 中圧変成 / 十字石 / ラン晶石 |
研究概要 |
変成相系列の上で、飛騨帯は従来高温低圧型変成帯と考えられてきたが、筆者はむしろ宇奈月帯の同様の中圧変成を受けていたのではないかと考え、川砂中に残された耐酸重鉱物から十字石・藍晶石の抽出を試みた。これまでの広域的探査に基づいて、飛騨帯西部の水無地域の泥質片麻岩に対象をしぼって、それらの分布・産状および構成鉱物の特徴を解明することを目的に研究を行った。その結果以下のことが分かった。 1.これまで飛騨帯の泥質岩には、宇奈月帯を除くと、十字石の産出は1-2箇所しか知られていなかったが、同地域の泥質片麻岩には、かなり普遍的に十字石が含まれる。 2.含十字石岩の岩相が肉眼的にも区別・同定できるようになり、露頭探査が進んだ。 3.川砂から転石-露頭発見への探査をシステマティックに行う方法が確立できた。 4.詳細な野外調査により、露頭分布を正確に追跡し、本地域に少なくとも3〜4層の含十字石泥質岩層準を確認した。またこの泥質岩を鍵層として、複雑な同地域の地質構造を単層オーダーで解明することができ、同岩石は連続性の良い構造マーカーとなることが分かった。 5.顕微鏡下において十字石は、他鉱物中の包有物や分解残存物としてあるのではなく、おそらく飛騨変成作用の主要な変成事件を示す安定した1相として存在する。 6.藍晶石の存在については、まだ同定・確認するに至らず、なお今後の探査が必要である。また泥質岩において十字石を含む岩石と含まない岩石との科学組成上の違いや、変成条件の解析などが今後の課題として残されている。
|