研究課題/領域番号 |
08640575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岡村 眞 高知大学, 理学部, 教授 (10112385)
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研究分担者 |
松岡 裕美 高知大学, 理学部, 助手 (60222296)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 海底活断層 / 正断層 / ネオテクトニクス / 九州中部 / 引張場 / 正断層群 |
研究概要 |
九州中部域は内陸部では構造性盆地を、海域では別府湾や橘湾などの湾入を発達させている。海域の調査は多数の音響反射面を利用した活動度評価において、得られるデータの均質性と再現性において陸域の調査にくらべ多くの利点を有する。これまでの国土地理院や海上保安庁水路部などによる音波探査により調査が行われてきているが、完新世1万年間に限れば必ずしも音響的分解能は高くなく、活動度の評価は行われていない。そこで別府湾で行ってきたように、高分解能音波探査とピストンコアリングを組み合わせて、有明海、八代海、大村湾や橘湾においてまず活断層マッピングと主要な断層の活動度を明らかにしようと試みた。八代海では、日奈久断層海上延長上において大きな構造的引きずり込みを伴う横ずれ断層を見いだし、あわせてコアリングをおこない少なくとも完新世に2回以上の断層活動があったことがわかった。また洪積層はこの断層に向かって傾動してきており、八代海形成の主要因と考えられた。引きずり込みの総変異量は10mにもおよび地震危険度からも注意を要する。有明海においては北部、熊本市沖や三角半島沖において、東西性の海底活断層により小グラーペンが形成されつつあることを見いだした。断層の活動度は低く、これらの断層活動により発生する地震は最大でもM6程度であろう。西部では雲仙岳の山体を切る火山性の活断層が海底部にも認められるものの活動度は低い。火山性の活断層活動と関連するものは大村湾にも認められた。太良・国見山塊の南西側で、大仁田断層は海上9kmまで追跡可能で、地震の再来間隔は3000年程度、横ずれ変位の卓越したM5程度の地震を起こす可能性がある。一方橘湾では、東西性の正断層が発達すし、ほとんどの断層が累積変位を示すが、6000年間の累積量は数m程度であり、別府湾に比べるとその活動度は低い。
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