研究課題/領域番号 |
08640609
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
浅見 正雄 岡山大学, 理学部, 教授 (10033193)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | セールロンダーネ岩体 / CHIME年代 / モナザイト / 東南極 / パンアフリカン |
研究概要 |
東南極セールロンダーネ岩体の主要広域変成作用の時期を明らかにするため、いくつかのグラニュライト相変成岩試料を選んでモナザイトのThO_2・UO_2・PbOを分析し、CHIME(Chemical Th-U-total Pb isochron method)により年代を求めた。測定は、1)岩体東部域、2)中・西部域の順に行い、得られた結果をそれぞれ考察した。 1)東部域内の離れた露頭から採取した3つのざくろ石-黒雲母片麻岩について14〜24粒のモナザイトを分析。各試料とも明確な1本のアイソクロンが描け、モナザイト結晶時を示す534・534・536Maの年代値を与えた。これまで本地域では、(1)グラニュライト相の主要広域変成作用が約1000Maに起こり、(2)これに局所的な角閃岩相変成作用が約500Maに重複したという2時階の変成史が考えられてきた。今回得られた約535Maの年代は(2)にほぼ一致する。しかし、モナザイトがグラニュライト相変成鉱物であることの組織上証拠に加え、Pbに関し極めて高い保持性をもつという鉱物学的特性から、この535Ma年代はグラニュライト相変成時期を表すと言える。それ故、セールロンダーネ岩体は原生代変成帯ではなく、カンブリア紀造山帯として最近知られるに至ったリュッツホルム〜やまと-ベルジカ岩体の西方延長である可能性が出てきた。成果は論文に発表(11.研究発表を参照)。 2)中・西部域内の離れた露頭からの4つのざくろ石-黒雲母片麻岩について1〜25粒のモナザイトを分析。全試料とも1)と同様の結晶年代、即ち538・540・541・544Maを与えた。加えて、1試料中のモナザイトには砕屑性残存結晶粒と考えられる620・767Maの中核部が見い出された。以上の結果、この岩体は東南極楯状地におけるパンアフリカン期変動帯の1つであり、その原岩堆積は6.2億年前以降に起こったことが示唆される。成果は第16回南極地学シンポジウム(1996年10月15日)で講演発表。
|