研究課題/領域番号 |
08640627
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
平木 敬三 近畿大学, 理工学部, 教授 (70088368)
|
研究分担者 |
中口 譲 近畿大学, 理工学部, 講師 (30188916)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 蛍光性有機物 / 3次元蛍光分析法 / 蛍光光度法 / 溶存有機炭素 / 河川 / 海水 |
研究概要 |
3次元励起・蛍光スペクトル分析法により、汚染の度合いなど特性の異なる3つの河川、すなわち比較的汚染の度合いが小さい和歌山県田辺市の会津川、琵琶湖を水源とし桂川、木津川などと合流する淀川そして汚染度は日本一と言われている大和川中の蛍光性物質について調査を行った。この中で淀川については1995年12月及び1996年5月に採取した試料については3ヶ所に蛍光強度ピークが認められた。またこの蛍光強度は上流から下流に行くに従い増加する傾向を示し、桂川、木津川と合流した地点からその蛍光強度は著しく増大し、人為的負荷の可能性を示唆した。また同時に溶存有機炭素、硝酸十亜硝酸、アンモニア、りん酸、ケイ酸、アミノ酸、炭水化物、クロロフィルaを定量したが、溶存有機炭素および栄養塩類濃度とは高い相関性を示し、蛍光性物質がある種の有機物から成っている可能性が示唆された。また、5月に採取した試料についてはアミノ酸および炭水化物濃度と蛍光強度の間に負の相関性が認められ蛍光物質の構成成分の中にアミノ酸、炭水化物が含まれている可能性を示した。蛍光強度ピークについてはこれまでの研究結果と比較すると、1つはタンパク様物質と2つはフルボ酸様物質のピーク位置とほぼ一致した。また蛍光物質の起源に関しては下流域においては河川泥中の間隙水(直上水を含む)中の蛍光ピークとほぼ一致しその起源として河川泥からの寄与が考えられた。一方、和歌山県の会津川については淀川同様溶存有機炭素との間に高い相関性が認められた。従って蛍光性物質は何らかの有機物から構成されており、この詳細な解明は陸源物質の沿岸海域から外洋域への輸送過程を解明する上で重要と考えられる。
|