研究課題/領域番号 |
08640632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
長谷部 亨 福島大学, 教育学部, 教授 (10091852)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / 緩和時間 / 拡散係数 / 分子運動 / 細孔内分子運動 / 分子性物質 / 拡散運動 / パルス磁場勾配 |
研究概要 |
分子性物質についての試料自身の蒸気圧下における結晶-結晶相転移、結晶-液体相転移(融解)という相変化は、温度をパラメータとするとすると分子運動の励起過程と密接に関係していて非常に興味深いものである。本研究では、(CH_3)4Siはじめ(CH_3)3CClなど13種類の分子性物質について、これらの結晶相における分子運動のデータと液体状態の分子運動を合わせて検討するために、そのバルク液体状態における拡散係数(D)を融点から試料内部蒸気圧が1気圧になるまでの広い温度範囲にわたって測定した。さらに、これらの分子運動の運動空間を制限した場合の運動の変化を調べるために、6、9、10mmの孔サイズの多孔質シリカを用い、細孔内分子の拡散係数の測定も行った。 バルク液体状態における拡散係数の温度依存性は、いずれの試料も温度上昇に伴い絶対温度の逆数に対して指数関数的に増加した。この温度依存性にArrhenius型依存性(D=Doexp(ΔG^*lRT))を仮定し、D_0とΔG^*を求めた。D_0の値が、その超臨界気体状態の拡散係数に近づく傾向があることがわかった。また、結晶状態においてすでに分子全体の回転運動や拡散運動が十分に励起しているのにも関わらず、液体状態における拡散運動の速さが、それらの運動の影響をあまり受けていないような傾向を示すのも興味深いものである。 細孔内分子の拡散運動は、バルク状態よりも1桁ほど速い時間スケールで運動していることが明らかとなった。しかし、ΔG^*の値は、測定誤差の範囲内で等しいということは特徴的である。また、これらが、分子の電気的極性の有無に関わらず同じ傾向を示すということも興味深い。
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