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有機金属化合物の電子状態とその反応性に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640645
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 物理化学
研究機関三重大学

研究代表者

小関 史朗  三重大学, 教育学部, 助教授 (80252328)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード分子軌道法 / GAMESS / MCSCF波動関数 / スピン軌道相互作用 / 遷移金属元素 / 有機金属化合物
研究概要

まず,このクラスで最も高速なワークステーションを導入し,ネットワークに接続した.このワークステーションに量子化学計算プログラムGAMESS(general atomic and molecular electronic structure system)を移植し,申請者独自のルーチンを修正付加することにより計算システムを構築した.
このシステムを利用し,まず,典型元素(H〜Ca,Ga〜Sr,In〜Ba,Tl〜Ra,ただし,希ガス元素を除く)のエネルギー的に低い電子状態のMCSCF波動関数と全エネルギーを求めた.そして,以前に決定した有効核電荷を用い,それらの電子状態におけるスピン相互作用の大きさを予測した.これらの結果を実験結果と比較検討した.アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素を除けば,実験結果とかなりよい一致を示し,以前に決定した有効核電荷が有用であることが明らかになった.これらの結果は次年度中に論文発表する予定である.
次に,遷移金属元素のエネルギー的に低い電子状態のMCSCF波動関数と全エネルギーを求めた.取り扱った遷移金属元素は,Sc〜Zn,Y〜Cd,La,Hf〜Hgの30個である.いずれの元素においても,多数の電子状態がエネルギー的に近接して存在するため,これらの電子状態を適切な信頼度で求めるために多くの時間を要した.さらに,これらの電子状態のスピン軌道相互作用による分裂を一電子近似のもとで計算した.計算に含めた電子状態が多数であるため,我々のプログラムでは比較的長い計算時間を要した.従って,我々のプログラムを改善し,高速化する必要があると思われる.
以上の結果を実験によって求められている原子スペクトル分裂と比較検討することにより,二電子部分の寄与を見積り,現在.各遷移金属元素の有効核電荷を決定している.次年度にこれらの結果をまとめ,論文発表する予定である.さらに,それらの結果を利用し,Ti,Ru,Os,Wなどの水酸化化合物の化学反応の研究を進めていく予定である.
以上の研究と並行して,高スピン化合物の設計を目的としたジラジカル系の化学反応,シリコン窒化膜成長過程,共役炭化水素における擬ヤーンテラー効果に関する研究も行い,論文投稿中である.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Toyota and S.Koseki: "Energy component analysis of the pseudo Jahn-Teller effect in bicyclic nonalternant hydrocarbons:The pentalenoid and heptalenoid systems." J.Phys.Chem.100. 2100-2106 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] N.Matsunaga,S.Koseki,and M.S.Gordon.: "Relativistic potential energy surfaces of XH_2(X=C,Si,Ge,Sn,and Pb)molecules:Coupling of ^1A_1 and ^3B_1 states." J.Chem.Phys.104. 7988-7996 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] M.Haga,M.M.Ali,S.Koseki,et al.: "Proton-induced Tuning of Electrochemical and Photochemical Properties in Mononuclear and Dinuclear Ru Complexes Containing 2,2'-Bis(2"-benzimidazolyl)4,4'-bipyridne." Inorg.Chem.35. 3335-3347 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] H.Tomioka,T.Matsushita,S.Murata,and S.Koseki.: "Photochemistry of Phyenyl Azides Bearing 2-Hydroxy and 2-Amino Groups Studied by Matrix-Isolation Spectroscopy. Generation and Characterization of Reactive o-Quinoid Compounds." Liebig Ann.1971-1980 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] A.Toyota,T.Muramatsu,and S.Koseki.: "Structural properties of 3,10-diazadispiro[5.0.5.3]pentadeca-1,4,8,11-tetraene and its congeners:a generation of an unusuall long CC single bond." J.Mol.Structure(THEOCHEM). (in press). (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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