研究課題/領域番号 |
08640647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中井 浩巳 早稲田大学, 理工学部, 講師 (00243056)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 固体表面 / 表面吸着 / 励起ダイナミックス / 理論的研究 / 触媒作用 / STM / 縮退軌道間励起 / 光化学反応 / 励起状態 / 分子性酸化物[V_4O_<12>]^<4-> / C-Cカップリング / 一般則 / Frozen-Orbital-Analysis / 電子移動 / 表面励起ダイナミックス / 量子化学 / 分子軌道法 / 走査型トンネル顕微鏡(STM) / 光分解反応 / 多工子吸収過程 / 吸着構造 / 光刺激脱離 |
研究概要 |
固体表面及び表面吸着種の励起ダイナミックスは、光触媒、光エネルギー変換、半導体材料の製造など多くの応用分野において、また、これらの電子論的理解という点では基礎研究としても多いに注目されている。しかしながら、これらは励起状態における表面一分子系の構造変化、エネルギー移動、電子移動などを含んでおり、実験的に全課程を理解することは非常に困難である。本研究では、理論的な立場からこの様な表面励起ダイナミックスの電子過程を明らかにすることを目指した。具体的には、(1)固体表面の触媒作用、(2)表面吸着種のSTM像、(3)金属錯体の励起状態と光化学反応に関して、これらを取り扱う理論や方法論の構築および各現象の電子的マカニズムの解明を試みた。(1)では、銀触媒によるエチレンの部分酸化反応を対象とした。本研究により、これまで未解決であった活性酸素種の特定に成功した。また、触媒設計の観点から、そもそも銀なのか、銀以外の金属では触媒と成り得ないのか、また、エチレンなのか、他のオレフィンではどうなのか、などについても検討した。(2)では、Bardeenの摂動論を分子軌道法に適用し、STMの分子軌道モデルを提案した。さらに、この手法を吸着ベンゼンに適用し、吸着構造の違いによって炭素の6個のピークが見られる場合と3個のピークしか現われない場合があることを理論的に示した。(3)では、高い対称性を持つ金属錯体の励起状態に関して系統的に研究し、その結果からこれらの励起状態のエネルギー準位や分裂幅に一般則があることを見いだした。さらに、この規則は金属錯体に限らず、縮退軌道間の遷移に基ずく励起状態に関する一般則であり、直線分子やベンゼン錯p-p^*励起状態、正20面体構造のC_<60>の励起状態などにも適用できることを確認した。白金およびイリジウム錯体が示す光異性化や光分解などの光化学反応についても理論的に検討した。
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