研究課題/領域番号 |
08640649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金子 文俊 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70214468)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | トリグリセリド / トリパルミチン / 結晶成長 / 細孔形成 / 結晶多形 / 多孔質 / 顕微赤外分光 |
研究概要 |
トリパルミチンの結晶化過程をX線回折・散乱、顕微赤外、ラマン散乱、顕微鏡観察等の手法を用いて研究した。結晶化温度を変化させることで、結晶化挙動が大きく変化する。融点約65℃のトリパルミチンを融液から一挙に40℃以下に持っていくとα、45-50℃付近ではβ'、そしてこれ以上の温度ではβ相が発生する。β相は最安定相でT//型の副格子を持つ固相であるが、発生する領域の特に51-55℃の範囲では、β相は特異な結晶化挙動を行う。55℃以上の温度域での通常の結晶化と同じく、最初は発生した結晶は板状晶として徐々に成長していくが、途中から結晶成長速度が著しく大きくなり急激に塊状晶として成長する。 ディラトメータを用いた体積変化測定によると、この塊状晶が発生した場合には、結晶化による急激な密度上昇の後に今度は急激な密度減少が見られる。これは、結晶中の欠陥の発生に由来する。X線回折・散乱により、この急激な結晶化により生じたβ相は本質的に通常のβ相と結晶格子のオーダーでの構造には本質的な違いはないが、μmオーダーの空孔が試料中に多数生じていることが分かった。 またβ相はこれまで一つの結晶相と捉えられていた。しかし、今回の研究で履歴の違いにより少なくとも2種類の構造が形成されることが分かった。溶液及び融液結晶化発生するβ1とαより固相相転移によって生ずるβ2相ではX線回折パターンや赤外・ラマンスペクトルにおいて系統的な違いが見られる。偏光赤外スペクトルより、特にグリセリン骨格部分の構造が異なっていることが分かった。
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