研究課題/領域番号 |
08640673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 啓二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012456)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 分子磁性体 / 強磁性相互作用 / 水素結合 / ニトロキシドラジカル / ボロン酸 / 結晶構造 / スピン相互作用 |
研究概要 |
ニトロニルニトロキシドラジカル部位をp-およびm-に置換したフェニルボロン酸を合成した。これら二種の化合物について磁化率の温度依存性を測定した結果、p-体では分子間に強磁性的な相互作用が、またm-体では反強磁性的な相互作用が観測された。X線結晶解析の結果、p-体はボロン酸とのヒドロキシル基とニトロキシド基の酸素原子との間の水素結合により、head-to-tail型の二量体を形成していることが分かった。二量体間の分子配列を種々検討した結果、観測された強磁性的相互作用は主に二量体内で働いていると結論した。これは、ニトロキシド基上のSOMOからボロン酸基上のLUMOへの電荷移動した項の寄与により、三重項状態が安定化されるためと説明することができた。このように、B-OH…ON分子間水素結合を結晶構造制御とともにスピン伝達経路として利用し、強磁性的相互作用を実現することできた。 スピン源として4-ヒドロキシTEMPOラジカルを用いて、ボロン酸と水素結合錯体を作成しようとしたところ、ボロン酸のエステルが得られた。この化合物について磁化率の温度変化を測定したところ反強磁性相互作用が観測された。X線結晶解析から、一次元鎖状配列が見いだされ、スピン相互作用の経路をメチル基と酸素原子のコンタクトのためと推定した。
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