研究課題/領域番号 |
08640683
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川瀬 毅 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10201443)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | アリールアセチレン / 曲面状共役系 / フラーレン / 多核シクロファン類 / 高歪み分子 / 超分子化学 / 局面状共役系 / 曲面上を共役する分子 / 蛍光特性 / ホストーゲスト化学 |
研究概要 |
フラーレンやカーボンナノチュブの特性は曲面上を三次元的に共役したπ電子系を持つことに因ると考えられる。しかし、そのようなπ電子系の基本的な性質は未だ明かではない。そのため簡単なモデル分子、特に円筒状の共役系を持つ小分子の合成が待たれていた。ベンゼン環のパラ位をアセチレン結合で繋いだ環状オリゴマー(cyclic[n]paraphenylacetyleneと呼ぶことを提唱)はそのベンゼン環が歪みによって環平面に対して垂直に立ち、円筒状の構造をとることが予想された。報告者はこの分子がモデルとして適当と考え合成を検討した結果、先に前駆体としてシクロファンポリエン類を合成した後、臭素化・脱臭化水素化することで環状6、および8量体の合成に成功した。 その成果をさらに発展させ、以下のような結果を得た。 1冷トルエン溶液から得た環状8量体の単結晶を用い結晶構造解析を行った。8量体はやや歪んだ円筒状の構造(長軸18.3Å、短軸16.5Å)をもち、その大きな空孔内に4分子の溶媒を取り込んでいる。また、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒中環状6量体の存在下でフラーレンの溶解度が大きく向上することを見い出した。スペクトル解析よりC60と1:1錯体を作ることが推定された。 2同様な合成法を用いて[2.2.2.2]metacyclophanetetrayneや[2.2.2]metacyclophanetriyneを合成し、スペクトルデータやX線結晶構造解析などから、その分子構造や物性について検討した。 3低原子価チタンによるカップリング反応を用いた前駆体大環状化合物の合成を検討し、環状7量体や多様な構造をもつ環状アリールアセチレン類を合成した。
|