研究課題/領域番号 |
08640684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 育男 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60191912)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | [18]アヌレン / [30]アヌレン / D_<6h>-対称性 / ベンゼン高級類似体 / アセチレン結合 / クムレン結合 / 芳香族性 / ドデカデヒドロ[18]アヌレン / テトラコサデヒドロ[30]アヌレン / D_<6h>対称 / 反磁性環電流 |
研究概要 |
Kekule-Thieleの要請が充足されれば芳香族性が現れるという古典的有機化学構造論の帰結を実証するために、多くのアヌレンの合成と性質に関する研究が行われている。本研究において、アセチレンおよびクムレン結合を構成単位とするベンゼン高級類似体、D_<6h>-対称性をもつ[18]および[30]アヌレン誘導体の合成に成功し、構造および物理化学的性質を明らかにすることが出来た。今回合成された[18]アヌレン誘導体は熱的に安定な分子であり、スペクトルデータおよびX線結晶解析のデータから、6員環を構成する18個の炭素原子は全て同一平面上に配置され、平均の結合長および結合角はそれぞれ3.997Åおよび118.7゚であり、また、分子はD_<6h>-対称性を有し、強い反磁性環電流の誘起を示し、高い芳香族性を示す事が明らかとなった。これに対して、[30]アヌレン誘導体はD_<6h>-対称性を保持し、強い反磁性環電流を誘起し、芳香族性の特性を示したが、熱的安定性は著しく低下することが判った。これらの結果から、今回合成された[18]および[30]アヌレン誘導体は芳香族性(Aromaticity)と化学的芳香族特性(Aromatic Character)の研究の新規なリ-ド化合物としての有用性を示すかもしれない。少なくとも[18]アヌレン誘導体は予期したより化学的に安定な化合物であり、ベンゼン高級類似体として、構造および反応に関する研究および新規な機能性大環状芳香族化合物への展開が期待される。
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