研究課題/領域番号 |
08640694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
山田 順一 姫路工業大学, 理学部, 助手 (90191311)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 有機スズ化合物 / 複合化 / 新規TTF縮環系ドナー / 新規有機合成金属 / トリメチルアルミニウム / κタイプ / ヘテロ環 / 三フッ化ホウ素 / エステル / 金属的錯体 / 構造解析 / 物性 |
研究概要 |
新規TTF縮環系有機合成金属を開発するために次の研究を行った。 1.有機スズ化合物とMe_3Alの“複合化"による新規TTF縮環系ドナーの効率的合成法の確立 スズでマスクされたジチオラートとエステルをMe_3Al存在下反応させる過程を経て、短段階で既知および新規TTF縮環系ドナーを合成できる方法を開発した。この合成法により、新規TTF縮環系ドナーとしてTTF-DHTTF縮環系ドナー、TTF-DTDT縮環系ドナー、TTF-DSDTF縮環系ドナーの合成に成功した。 2.TTF-DHTTF縮環系ドナーを用いた新規有機合成金属の開発 4種類のTTF-DHTTF縮環系ドナーから10種類の新規有機合成金属を見い出した。さらに、これらの新規有機成金属の内、(EDDH-TTP)_2Aul_2塩の構造解析に成功し、2:1の組成を持つκタイプの金属的錯体であることを明らかにした。この構造を有する金属的な塩は、TTF縮環系ドナーを用いた錯体では初めての例である。 3.TTF-DTDT縮環系ドナーを用いた新規有機合成金属の開発 4種類のTTF-DTDT縮環系ドナーから7種類の新規有機合成金属の開発に成功した。ジチアン環は構造的自由度を有する置換基であるが、TTF誘導体を縮環させることにより金属的錯体が得られることを明らかにした。 4.TTF-DSDTF縮環系ドナーを用いた新規有機合成金属の開発 5種類のTTF-DSDTF縮環系ドナーから4種類の新規有機合成金属の開発に成功した。現在のところ、この系から良質な単結晶は得られていないが、ペレット状態で活性化エネルギーの小さい値を示す錯体が多数得られている。 また、TTF骨格の周辺部がヘテロ環の導入によって拡張された新規ドナーの合成が、有機スズ化合物とBF_3の“複合化"による反応を利用することによって達成できることを見い出した。これらのドナーは従来のTTFドナーに比べて、かさ高い構造であるにもかかわらず、ジオキサン環、シチアン環、ジオキソラン環を有するTTF誘導体から金属的ラジカルカチオン塩および錯体が得られることを明らかにした。
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