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金属錯体系分子性伝導体における電子相関と次元性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640732
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 機能・物性・材料
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 礼二  東京大学, 物性研究所, 助教授 (80169531)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
キーワード金属ジチオレン錯体 / 分子性伝導体 / 金属-絶縁体転移 / 電子相関
研究概要

高圧超伝導体β-Me_4N[Pd(dmit)_2]_2(β-Me_4N塩)は,単位格子に2つの立体交差したカラムを含み,各々のカラム内ではPd(dmit)_2分子が強く二量化している。対カチオンをMe_4Z^+(Z=P,As,Sb)に置換すると,結晶構造が若干変化し(β'-型),二量化の度合いが変化するのに伴い,圧力下における伝導度の挙動が大きく変化する。また,一般に圧力の増加に伴い低温での安定相が絶縁体→金属→絶縁体と変化する。申請者はこの系がHOMOおよびLUMOバンドからなる2バンド系であると考え,電子構造の次元性と電子相関の観点から議論してきた。本研究では,他の高圧超伝導体Et_2Me_2N[Pd(dmit)_2]_2の系については,対カチオンの効果を検討した。Et_2Me_2N塩はβ-Me_4N塩と異なる結晶構造を持ち,単位格子には1つの二量化カラムが含まれるのみである。しかし,今回新たに得られたEt_2Me_2Z(Z=P,As,Sb)塩の構造は,意外にも立体交差カラムを持つβ'-型であった。一連のβ-およびβ'-Me_4Z(Z=N,P,As,Sb)塩は,常圧では2次元的性格の強いHOMOバンドが一種のモット絶縁化を起こしている系と考えられる。加圧すると二量化が弱いために,直下のLUMOバンドがHOMOバンドと重なるようになり,HOMOバンドがhalf-filledでなくなるために金属(あるいは超伝導)状態が出現する,というのが申請者のモデルである。その際,元々のHOMOバンドが(フェルミ面の形状から判断して)2次元性を強く示す系ほど加圧によって金属相が現れやすい傾向があることを見出し,次元性が高いほど電子相関効果が弱くなる可能性を指摘した。β'-Et_2Me_2Z塩に対する強結合近似バンド計算は,この系がかなり強い2次元性を持つことを示した。また,いずれも加圧によって金属相が現れやすく,Me_4Z塩で得た知見をさらに支持する結果を得た。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] R.Kato: "Se-Substitution and Cation Effects on the High-pressure Molecular Superconductor,β-Me_4N[Pd(dmit)_2]_2-A Unique Two-band System-" Mol.Cryst.Liq.Cryst.(印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] R.Kato: "Molecular Conductors based on Pd(dmit)_2 and related metal dithiolene complexes-A Unique Two-band System-" Synth.Met.(印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S.Aonuma: "Preparation,Structure and Conductivity of Et_2Me_2Z(Z=P,As,Sb) Salts of M(dmit)_2 and M(dmise)_2(M=Ni,Pd)" Synth.Met.(印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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