研究課題/領域番号 |
08640773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00209248)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 土壌微生物 / DNA分離精製 / 環境応答 / 多次元クロマトグラフィー |
研究概要 |
1)環境応答性セレクターとして、温度応答をすることで有名なPoly-NIPAMをワンステップの簡便な方法で粒子径均一ポリマー充てん剤に導入する方法を確立し、これにより、多孔性粒子の外表面あるいは内表面を選択的に修飾することが可能となった。 2)Poly-NIPAMを粒子内表面に導入した充てん剤では、温度応答によって細孔径の変化、疎水性の変化が観察され報告されているPoly-NIPAMの応答性は発現したが、本課題の対象物である、フミン酸、あるいはDNAの吸着・脱着に対しては顕著な温度応答性を示さなかった。 3)この原因が対象試料のイオン性にあると考え、導入するセレクターをイオン交換能を持ったポリマー型セレクターに変えたところ、アニオン交換基を持ったセレクターでは両物質を吸着し選択性が見られないが、カチオン交換基を持ったセレクターでは、フミン酸に対して比較的選択性のある吸着能を示し、さらに、吸脱着にpH応答性が発現した。 4)さらに、双方のイオン交換基をもったそれぞれの高分子型セレクターをそれぞれポリマーの官能基が相互作用可能な範囲に混在させる手法を新たに開発し、双方の官能基間の水素結合の温度あるいはpH変化による刺激応答性を有する充てん剤を調製することに成功した。 5)その結果、カチオン交換基を持ったポリマー型セレクターで見られたpH応答性に加えて、温度応答によるDNAの脱着が可能であることが明らかとなり、温度応答とpH応答を組み合わせることで、フミン酸とDNAの分離に加えて、充てん剤の再生(これにより再利用)が容易に行えることが示された。 6)この温度応答およびpH応答(刺激応答)と多孔性粒子のサイズ排除を組み合わせることで、従来は全く困難であったフミン酸とDNAの分離に加えて、DNAのサイズ分割が可能となり、目的とするインテリジェント多次元クロマトグラフィーを可能にする刺激応答性充てん剤の調製が世界で初めて達成された。
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