研究課題/領域番号 |
08640807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
巌佐 庸 九州大学, 理学部, 教授 (70176535)
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研究分担者 |
武田 裕彦 九州大学, 理学部, 助手 (90253400)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 季節的タイミング / ESS / ゲーム / ニューコロンピューティング / 遺伝的アルゴリズム / ペア近似 / ゲノムインプリンティング / 配偶者選択 |
研究概要 |
生物の生活史のさまざまな側面(行動や形態変化、成長、発生を含む)について、進化生態学的なモデリングの新しい方向を探った。主な成果としては以下のものがある: (1)昆虫の孵化・羽化、鳥の移動開始など生活史の切り替のタイミングが集団内でばらつくように進化することが変動環境において生じる条件を、変動環境でのゲームモデルにより明らかにした。(2)植物がアルカロイドをつくって植食昆虫に対して防衛するときに、若い葉を中心に防衛することが最近知られたが、どれだけの量の化学物質をどのようなに造るかを植物が適応的に決定するとして動的最適化モデルにより解析した。(3)配偶者選択の進化が一定環境でも変動する進化圧をつくりだし、形質にサイクルを描くこと、つまり雌の好みには進化的なファッションが有り得ることを示した。(4)母方および父方由来の遺伝子のコピー2つは一方だけが発現するようになるゲノムインプリンティングの進化について、多変量量的遺伝子モデルで解析し、遺伝子コンフリクト理論が成立することを示し、かつ知られている発現パターンを理解するには有害突然変異などゲノムインプリンティングを不利にするプロセスが必要であることを明らかにした。(5)発生の途上における遺伝子のネットワークをニューロネットでシミュレートしそれを遺伝子アルゴリズムによって教育する系を確立し、ショウジョウバエ初期発生に適用して論じた。 このほか森林動態や多年草植物個体群について空間構造を陽に考慮した格子モデルの解析法(ペア近似)を進めたが、進化的な結果にまではまだ研究がすすめられなかった。今後は、格子モデルにおいて個体群動態だけでなく生活史の進化を理解できるような概念や理論解析法の研究をすすめる必要がある。
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