研究課題/領域番号 |
08640843
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物形態・構造
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹井 祥郎 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10129249)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | ANP / CNP / ANP受容体 / 塩類細胞 / ウナギ / 浸透圧調節 / カルシウム / 鰓 |
研究概要 |
ウナギを海水に移すと、血液量が減少するにもかかわらず、血漿ナトリウム濃度の上昇に伴って、血漿中の心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)濃度が上昇する。一方、ANPは海水に適応したウナギに作用して、ナトリウムの摂取を抑制し、排泄を促進することにより海水に適応させる。すなわち、ANPは海水ウナギの飲水を抑制し、腸からのナトリウムの吸収を抑制する。また、ANPはナトリウムを捨てるホルモンであるコルチゾルの分泌を促進し、自分自身も鰓や腎臓に作用してナトリウムの排泄を促進する。このように、ANPは海水に適応させるホルモンであると考えられているが、同じファミリーに属するC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、淡水適応に重要なホルモンである可能性が高い。ANPファミリーのうち、CNPのみがウナギを海水に移すと血漿レベルが減少する。また、CNPに特異的な受容体であるB型受容体(NPR-B)の発現は、調べられた全ての組織で海水に移すと減少する。さらに、NPR-Bに対する抗体を作成し、鰓を免疫組織化学法で調べたところ、受容体は鰓の塩類細胞に局在していた。淡水における塩類細胞の機能は、環境水からナトリウムやカルシウムを吸収することにあるといわれているが、私たちは、「CNPは、淡水に適応したウナギの塩類細胞に作用して、カルシウムの吸収を促進する」という仮説をたてた。それを証明するため、まず鰓からはぎ取った細胞群から、Ficolを用いた分別遠心法により、塩類細胞のみを集める技術を確立した。そして、FITCでラベルしたCNPを用いて、蛍光顕微鏡下で、塩類細胞にCNPが結合すると細胞内のカルシウム濃度が上昇するところを、カルシウム感受性の蛍光色素を用いて観察しようと試みている。この実験により、淡水のサカナの鰓にある塩類細胞の機能が、初めて明らかにされることになる。
|