研究課題/領域番号 |
08640859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 良隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70143360)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 神経生物学 / 神経ペプチド / GnRH / 神経分泌 / 神経修飾 / イオンチャンネル / パッチクランプ / ペースメーカー |
研究概要 |
申請者は、ペプチドニューロンの神経修飾作用について、「環境の変化や個体のホルモン状態の変化が終神経GnRH細胞(ペプチドニューロンの一種)に伝えられると、ペースメーカー電位の成因となるイオンチャンネルが修飾を受け、自発放電の頻度、パターン、もしくはその両方を変化させる。この活動変化は申請者が既に証明したような、脳内に広く投射する終神経GnRH細胞の軸索によって伝えられ、脳内の広い部位のニューロンの興奮性が一斉に修飾される。」という作業仮説の下に、現在までに終神経GnRH細胞を材料としてその神経修飾作用の生理・生化学・形態学的な機構を調べてきた。 一方、本研究で用いている熱帯魚ドワ-フグ-ラミ-では神経分泌ホルモンとしてのGnRHを産生する視索前野の単一細胞の記録も可能である(他の脊椎動物では不可能)。これを利用して、神経ホルモンとしてのGnRHの分泌が外的・内的環境の変化によって調節されるメカニズムの解明を計画した。まず、GnRH細胞の発火パターンや細胞内Ca^<2+>およびその他の細胞内情報伝達系の動態とGnRH放出の関連について調べるため、単一細胞からのホルモン分泌と電気活動記録およびCa^<2+>濃度記録などを同一の標本で行うための方法を開発し、応用していく必要がある。そこで申請者は、ごく最近開発された「炭素繊維電極を用いた単一シナプス小胞からの神経伝達物質放出のリアルタイム測定法」を単一細胞からのGnRH分泌の測定に応用することを計画し、現在これを進めている。この方法は、放出された物質が炭素繊維電極上に吸着されて特定の電圧で酸化還元反応を起こすことを利用して、その際生じる微小な電流をパッチクランプのアンプなどで検出する方法である。現在、炭素繊維電極を用いて機知の濃度のGnRH溶液の放出を記録できるようになったので、これを生体からのGnRH放出に応用すべく実験を進めている。
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