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PCR法による絶滅種ミナミトミヨmtDNAの特異的増幅と近,縁種との分子系統関係

研究課題

研究課題/領域番号 08640885
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 系統・分類
研究機関信州大学

研究代表者

高田 啓介  信州大学, 理学部, 助教授 (90197096)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードPCR法 / 絶滅種 / ミナミトミヨ / mtDNA
研究概要

これまで絶滅種と現生種の類縁関係を解析する直接的方法としては比較形態学的手法が主であったが,PCR法を用いることでDNAレベルでの比較が可能になりつつある.この方法を用いて,博物館標本を中心としたAncient DNAを分析する新しい研究分野の発展も期待される.本研究では,絶滅した日本産淡水魚類であるミナミトミヨPungitius kaibarae(TANAKA,1918)の増幅されたmtDNA領域と,近縁の現存種の同一領域とを比較し,絶滅種も含めた種間の遺伝的相違を明らかにしようとした.
材料には,70年以上にもわたる長期間フォルマリン溶液中に保存されていた液浸標本3個体(科博標本NSMT-P29878),北海道産のエゾトミヨ,トミヨ,および,イバラトミヨの凍結標本それぞれ2個体およびイトヨ凍結標本2個体を用いた.PrimerにはmtDNAのCyt-b遺伝子コード領域の一部をはさむL15149(Kocher et al.,1989)とH15020(Meyer,1994)を用いた.
ミナミトミヨ,および,その近縁種から約130bpの大きさを持つPCR産物を得ることができた.その塩基配列はエゾトミヨやイトヨの相同領域と比較して約20%の塩基配列の違いが検出された.しかし,アミノ酸配列においては1アミノ酸の置換にとどまっていた.ミナミトミヨの日本列島での分布は,淀川およびその近隣の水系に生息地が限定されており,ムサシトミヨとともに日本産トミヨ属魚類の地理的分布では,際だって孤立した分布域を有していた.今回明らかになったミナミトミヨの塩基配列が他のトミヨ属魚類と比較して,大きく異なっていることは,ミナミトミヨが長期間にわたって他のトミヨ属魚類と遺伝的な交流を持たず,その分化年代は500万年以上前にさかのぼると推定された.これまで解析が極めて困難とされてきた長期間ホルマリンに保存されていたミナミトミヨのAncient DNA解析方法が確立されたことにより,絶滅種,絶滅個体群のDNA解析が可能になり,これらの系統進化の過程の理解が飛躍的に進むことが期待される.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高田啓介: "博物館標本を用いたDNA解析の試み" 国立科学博物館ニュース. 318. 4-9 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 高田啓介: "日本動物大百科" 平凡社, (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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