研究課題/領域番号 |
08640891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高橋 正道 香川大学, 教育学部, 教授 (00154865)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 花粉化石 / 白亜紀 / 被子植物 / 初期進化 / 花化石 / Aquilapollenites |
研究概要 |
近年、植物化石の新発見や分岐分類学の発展および分子系統学の研究成果等により、被子植物の起源と進化に関する研究は、急速に展開しつつある。その中で、被子植物の花粉形態に関する研究は、それぞれの分類群を特徴づける花粉粒の多様な表面模様や発芽装置を示し、植物の類縁関係を示唆する有力な情報を提供してきた。さらに、白亜紀の地層から発見される花粉化石は、被子植物の初期進化を解明する直接的な証拠であり、被子植物の多様化のプロセスを明らかにする重要な手掛かりとして注目されている。 本研究は、白亜紀の花粉化石および炭化小型化石の2つの分野での成果を生み出した。 白亜紀花粉化石に関する研究では、サハリンの上部白亜紀(上部カンパニアン)の海成層から得られた岩石サンプルを塩酸、フッ化水素、アセトリシス等で化学的に処理し、走査型電子顕微鏡で花粉化石を探し出し、種類数を調査し、それぞれの花粉化石の形態構造を詳細に観察した。その結果、500個以上の花粉化石が認められた。その内、シダ類ではフサシダ科のものが多くみられた。裸子植物では、気嚢をもつ球果類の他にマオウ型の花粉が多く見られた。また、被子植物の優占度が高く、多くの種類の化石花粉が認められ、かなり多様化していた白亜紀の被子植物群が存在していたことを示唆している。中でも白亜紀の特異的な被子植物の花粉であるAquilapollenitesの発見など興味深い知見が明らかにされた。15EA04:炭化小型化石の研究では、福島県双葉層群(後期白亜紀)から、新属新種の被子植物の花化石を発見し、その形態構造を走査型電子顕微鏡で明らかにしつつある。約2.5mmの小さな花化石であり、5枚のがく片を有し、子房は合生心皮からなり、細毛がまばらに分布していることがわかった。この花化石について国際植物命名規約に従って新学名をつけて近々発表する予定である。
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