研究課題/領域番号 |
08640897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
福長 将仁 福山大学, 薬学部, 教授 (20132483)
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研究分担者 |
高橋 幸江 福山大学, 薬学部, 助手 (40236328)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ボレリア / ベクターマダニ / 系統解析 / ライム病ボレリア |
研究概要 |
マダニ属ダニ11種(タネガタマダニ、I.pavlovskyi、シュルツエマダニ、フサマダニ、アサヌママダニ、I.ricinus、タヌキマダニ、ヒトツトゲマダニ、アカコッコマダニ、ヤマトマダニ、I.garnulatus)55個体からDNAを抽出して、PCR法によりリボソームRNA遺伝子間のスペーサー領域の増幅、塩基配列を解析した。配列は約700塩基対からなりそれぞれのマダニ種に特異的な配列を有していた。これらの配列からそれぞれ塩基置換率を計算、similarity matrixを作成さらに近接結合法により系統樹を作成した。またこの系統樹には北米大陸に分布するI.pacificusおよびI.scapularisも加えた。この系統樹において、Ixodes ricinus species complexに属するマダニはすべて近縁でそれぞれ10%以内のクラスターを形成したが、その他のマダニ種はそれ以上、最大70%の差が認められた。さらにこれまでマダニ属での位置づけが明確でなかったフサマダニはマダニ属において最も遺伝的に差の大きい種であることが明らかにされた。 これまでマダニの分類は形態による分類のみであったが、本実験による塩基配列を用いた分類はこの形態分類によく一致し、しかも遺伝的距離関係が数値で表せるという利点が有り有用であることが明らかになった。さらに、以前の我々のボレリアに関する研究結果と併せて考察すると、ボレリアの種別とマダニの分類は完全に一致しており、マダニの進化分化につれて寄生ボレリアも適応進化してきたことが本実験によって明らかにすることができた。
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