研究課題/領域番号 |
08640914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
平井 直樹 杏林大学, 医学部, 教授 (40086583)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 運動制御 / 眼球運動 / サッケード / 前庭動眼反射 / 胸鎖乳突筋 / 適応制御 |
研究概要 |
目的:ヒト特有の直立姿勢にともない、腹側頚筋は特異な機能を有する。本研究では、側方への指向運動時の眼球と頭部の協調運動を解析し、腹側頚筋胸鎖乳突筋の機能を明らかにすることであった。そのために、耳鼻科領域で胸鎖乳突筋を郭清したヒトの協力をえて、正常のヒトとの比較をおこない、注視運動時の頭部運動の動的・静的な解析を行い胸鎖乳突筋の側方への頭部運動への関与、及びその求心系の役割をしらべた。 方法:暗所下で眼前に設置したLEDを視標とし、まず、正面につくLEDを注視させ、それが消灯したときに、左あるいは右の視標LEDを点灯させ、それを注視させるように指示し、その動的な解析と、さらにその視標を直ちに消灯させる場合と、点灯したままの状態での頭部、眼球位置の変化を解析した。 結果および考察:胸鎖乳突筋を郭清したヒトの最終的に視標に正確に到達した。正常者と潜時に差はないが、運動速度が遅いため、視標に到達するまでの時間に延長が見られた。一方、離心度の大きい視標に向かって注視運動をした後も、注視し続けるように指示すると、頭部の位置は、視標が消灯しても点灯したままでも一定に保持された。しかし、眼球は条件によって、異なった。点灯したままであれば、眼窩内の眼位は一定であるが、もし、消灯すると、徐々に眼位は鼻側に偏移した。再点灯によりまた保持が可能であった。正常なヒトでは、どの条件でも眼位、頭位ともに一定に保持された。このことは、胸鎖乳突筋が郭清されても光刺激がフイ-ドバックとなって眼位を一定に保てるが、頚部からの求心系の入力が絶たれた状態では、視覚入力が遮断されると、眼筋運動細胞の緊張が低下するために、眼位が保持できないものと考えられた。
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