• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

有機顔料薄膜表面の分子レベル構造制御による高感度光センシングデバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08650014
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 応用物性・結晶工学
研究機関大阪大学

研究代表者

平本 昌宏  大阪大学, 工学部, 助手 (20208854)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード光電流増倍現象 / 高感度光センシングデバイス / 金属 / 有機界面 / 構造トラップ / 結晶構造制御 / トンネリング / ペリレン顔料 / 応答速度
研究概要

本研究は、申請者が発見した、ペリレン顔料などの光電導性有機薄膜を金属電極でサンドイッチした素子における、最大10万倍を越える光電流増倍現象の機構の詳細な解明を行い、増幅型光センシングデバイスへの展開可能性を示す目的で行ったものである。
申請者はすでに、金属/顔料薄膜界面に存在する分子サイズの行き止まり構造(構造トラップ)への光生成ホールの蓄積によって、界面に電界が集中し、電極からのトンネリングによる電子注入が誘起されるという増倍メカニズムを提出している。本研究では、まず、顔料薄膜の構造と増倍特性との関連を調べ、構造トラップモデルの検証を試みた。種々の置換基を持つペリレン顔料の構造と増倍特性を系統的に調べた結果、顔料薄膜が結晶状態で表面がかなり微視的な凹凸を持っている場合に大きな増倍が観測され、アモルファス状態で表面がフラットな場合はほとんど増倍が観測されないという、明瞭な関係があることが分かった。結晶薄膜の場合は行き止まりトラップサイトが多く、効果的な電界集中を引き起こして、大きな増倍率を示したのに対し、アモルファス薄膜の場合は、行き止まりが少なく、増倍を示さなかったと考えられる。さらに、増倍を示さないアモルファス薄膜を有機溶媒蒸気にさらして結晶化させ、増倍を引き起こすことにも成功した。以上のように、増倍を引き起こす構造トラップの実在をほぼ証明でき、また、表面の結晶構造制御を通じた増倍挙動のコントロールが可能なことを実証できた。なお、現在、顔料薄膜作製時の基板温度と顔料薄膜の構造の関係を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価すると共に、実用的な光センシングデバイスへ展開するために、増倍光電流の応答速度の評価も行いつつある。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Hiramoto: "Photo-induced Hole Injection Multiplication in p-type Quinacridoue Pigment Films" Japanese Journal of Applied Physics. 35. L349-L3 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] T.Katsume: "Photocurreut Multiplication in Naplithalene Tetracarboxy Anhydride Film at Room Temperature" Applied Physics Letters. 69. 3722-372 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 平本 昌宏: "高感度化を目指して:光・電流増倍現象とその応" 電子写真学会誌. 35. 344-349 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi