研究課題/領域番号 |
08650060
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀口 薫 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (60001658)
|
研究分担者 |
水野 悠紀子 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10002461)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1997年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 着氷力 / 撥水性塗料 / 接触角 / 不凍水 / 表面粗度 / 粘着力 |
研究概要 |
着氷力の評価としては、半世紀以上もの間、低い温度(例えば-5℃や-10℃)での付着面のセン断凍着力が採用されてきた。そして、水との接触角の大きい物質がセン断着氷力が小さいことから、難着雪氷材料として撥水性材料の開発研究が行われ、現在接触角が150度以上の塗料が存在する。我々は氷が付着するメカニズムを解明するために、セン断着氷力の温度依存性を詳しく調べた。その結果、次のことが明らかになった: (1) 撥水性材料(テフロン)の場合、氷の付着面でのセン断着氷力は、温度が高くなると僅かに減少するが、付着面での破壊の型はbrittle failureであった。 (2) 親水性材料(ガラス)の場合、撥水性材料に比べて、セン断着氷力の温度依存性は大きく、破壊の型は低温領域(マイナス数度以下)ではbrittle failureであるが、マイナス数度以上の温度領域では破壊はviscou failureであった。 (3) セン断着氷力の値自身は、低温領域ではテフロンの方がガラスよりも小さかった。しかし、高温領域では逆にガラスの方がテフロンよりも小さかった。 (4) 界面での破壊に必要なエネルギーは、同じ温度では、viscous failureの方がbrittle failureよりも多い。 以上の結果から、着氷力のメカニズムは材料と温度に依って異なることが分かった。したがって、着氷防止対策も状況に合わせて異なる。例えば、融点に近い温度での着雪氷の除去を例に取ると、小さな力で除去したいときには親水性材料を用いた方が経済的であるが、少ないエネルギーで除去したいのであれば撥水性材料を用いた方がより経済的であることが分かった。
|