研究概要 |
本研究は設計・生産など組織による意思決定業務遂行に対して,形式的にその構造を表現する手法を提案し,そのモデリングをコンピュータにより支援することを目的としている. 2カ年の研究期間では以下の研究成果が得られた. 1.意思決定構造のモデリング手法ScoPyの提案と精緻化を行い,組織,時間,仕事,プロセスといった内容に加えて,外界での事象や影響を取り扱えるように拡張を施した. 2.モデリング支援システムDemoS^3の実装を進め,分析すべき断片的情報の取り込み,データベース内に組織化された意思決定構造のVRMLを用いた3Dでの可視化を実現し,人間による意思決定構造の包括的理解を高めることができた. 3.モデリング支援に加え,よりよい意思決定構造を導出,設計することを行う上での意思決定構造の分析手法の検討を行い,その支援をコンピュータにより行うシステムの試作を行った. 4.自動車の新規設計の事例と宇宙船の航行計画制御の事例に対して提案した手法と作成したシステムを適用し,その有効性を確認した. これらの研究成果により,これまでエンジニアリングの対象としては十分にとらえられてこなかった組織的業務遂行の仕組みに対して,コンピュータでのモデリングと分析が可能な形式的な表現と操作を与えることができるようになった.
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