研究課題/領域番号 |
08650157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械工作・生産工学
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
石川 憲一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00064452)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 研削切断 / ダイヤモンド砥粒 / 電着 / ワイヤ工具 / 縒り線 / スライシング / チップポケット / 螺旋状 / 研削 / 切断 / 硬脆材料 |
研究概要 |
本申請課題においては、高切断能率を可能にするダイヤモンド電着ワイヤ工具の開発とその長寿命化に関する検討として、(1)芯線となるピアノ線(φ0.2mm)表面にスパイラル状にダイヤモンド砥粒を電着させる方法(スパイラル電着ワイヤ工具)、(2)2本のピアノ線(φ0.1mm)を縒り合わせたものを芯線としてその表面にダイヤモンド砥粒を一様に電着させる方法(縒り線ワイヤ工具)を創案並びに試作して各種の検討を行った。以下に、申請期間中において得られた結果を述べる。 1.試作したワイヤ工具の破断強度を検討した結果、通常のワイヤ工具(芯線:φ0.2mm)と比較してスパイラル電着ワイヤ工具は同一な値を示したが、縒り線ワイヤ工具は工具断面積が約50%となることに起因して破断荷重は低下した。しかしながら、芯線自体の強度が向上することから、その低下割合は約30%にとどまることが明らかとなった。 2.試作したワイヤ工具のねじり強度を検討した結果、スパイラル電着ワイヤ工具、縒り線ワイヤ工具ともに破断ねじり角は向上することが分かった。 3.加工特性に関して切断能率の観点から試作した双方のワイヤ工具を用いて検討した結果、通常のワイヤ工具と比較すると、最大でスパイラル電着ワイヤ工具では約1.8倍、縒り線ワイヤ工具では約2倍の切断能率を示すことが明らかとなった。また、この効果はワイヤ表面に螺旋状のチップポケットが形成されていることから、通常のワイヤ工具と比較して加工液の流入出並びに切粉の排出が促進されるためであることが分かった。 4.工具寿命の観点からも、縒り線ワイヤ工具においては通常のワイヤ工具と比較して格段に向上することが明らかとなった。 5.試作したワイヤ工具の加工精度について切断面のチッピングやウエハの表面粗さの観点より検討し、通常のワイヤ工具と比較した結果、スパイラル電着ワイヤ工具においては若干ながら悪化する傾向を示すが、縒り線ワイヤ工具においては通常のワイヤ工具とほぼ同等な結果が得られることが分かった。
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