• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

乱流エネルギー生成機構と秩序構造の相関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08650189
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 流体工学
研究機関東京工業大学

研究代表者

堀内 潔  東京工業大学, 工学部, 助教授 (10173626)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード秩序構造 / Direct Numerical Simulation / エネルギー生成 / 順・逆カスケード / Large Eddy Simulation / 楕円渦 / Subgrid-scale model / Vortex stretching
研究概要

第一段階において、スペクトル法と差分法を併用して、チャネル流、および、混合層流の3次元Direct Numerical Simulation(DNS)を行うコードを作成した.第二段階では、このコードを用いて、高ならびに低レイノルズ数におけるチャネル流・混合層流の計算を行い、DNSデータを生成した.用いた格子点数は、チャネル流、混合層流において、各々、最大384x257x384および512x180x192であった.第三段階として、これらのDNSデータにフィルター操作を施し、全スケールを格子以上(Grid scale,GS)とそれ以下(Sub-grid scale,SGS)に分離したLarge Eddy Simulation(LES)データを生成した.第四段階では、このデータを用いたGS-SGS間のエネルギー伝達の解析を行い、伝達方向は、平均としてはGSからSGSへの順カスケードであるが、無視できない強度のSGSからGSへの逆カスケードが起きること、SGS生成項中のShear成分では順方向が支配的であるのに対し、Normal成分では順方向と逆方向がほぼ等分に起きることを示した.これは、Shear成分には平均のShearが含まれるためであり、この傾向は高レイノルズ数においてより顕著になる.したがって、逆カスケードが起きる頻度も、高レイノルズ数において減少する.このため、空間局所的な秩序構造の抽出には、平均Shearが含まれないNormal成分に着目する方法が適切であり、本研究では、エネルギー伝達機構と乱流場中の秩序構造との相関を、逆カスケードの発生機構を中心に解析した.まず、大きな逆カスケードが発生する領域を条件付アンサンブル平均(VISA)法により抽出し、同領域に対応して抽出した過度の分布を解析した.この結果、チャネル流では壁面に垂直な渦に、また、混合層流では下流方向に軸をもつBraid領域のRib渦に沿って、大きなSGSエネルギーの生成が起きること、また、これらの渦は何れの流れ場においても楕円形状の断面を有し、順・逆カスケードはその4象現で起き、4重極的構造をもって分布していることを示した.第五段階として、こうしたSGSエネルギーの生成構造の近似能力の観点から、SGS Reynolds応力に対する各種SGSモデルの検証を行った.その結果、等方型渦粘性係数モデルは4重極構造を全く表現できず、非等方型渦粘性係数モデルでは改善が見られるが、スケール相似則に基くモデル、特に、Filtered-Bardinaモデルが最も近似精度が高いことを示した.更に、これらのSGSモデルの精度を、渦構造の時間発展の追跡から動的に検証し、この検証においても、スケール相似則モデルの精度が高いことを示した.これらの結果は、GS渦度の支配方程式中のStretching項の近似精度に依存していること、特に、等方型渦粘性係数モデルにおいては渦度の拡散のみが表現され、渦の伸長が正確に近似されないことを示した.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 堀内 潔: "乱流のLarge-eddy simulationの最近の話題" 京都大学数理解析研究所講究録. 974. 122-127 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kiyosi Horiuti: "Backward Scatter of Subgrid-Scale Energy in Wall-Bounded and Free Turbulent Flows" Journal of the Physical Society of Japan. 66. 91-107 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] K.Horiuti,N.N.Mansour & M.M.Rogers: "Assessment of the Subgrid-Scale Models at low and high Reynolds numbers" Annual Research Briefs 1996,Center for Turbulence Research,Stanford. (印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi