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TIG溶接時の溶融池表面流動の直接観察とその速度ベクトル計測による流動の数値化

研究課題

研究課題/領域番号 08650226
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 流体工学
研究機関福井工業大学

研究代表者

斉藤 喜一  福井工業大学, 工学部, 教授 (50235032)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードTIG溶接 / 溶融池 / 可視化 / PTV / 空間多点速度ベクトル / 表面張力温度係数 / Peclet数 / 表面張力対流
研究概要

本研究では研究目的に従い、試料にS濃度の異なる2種類のSUS304(4.0mm厚)を、シールドガスにHe、Ar及びその混合ガスを、可視化用トレーサーに3〜5μmφのZrO_2を用い、熱入力:0.15〜10.0kJ/s、電極頂角:30〜120°にてTIG溶接を行い、溶接池表面のZnO_2粒子の動きを米国ステニング社溶接用特殊CCDカメラにて直接観察録画し、その画像を本研究用に準備したカセットレコーダー(EVO-9650)を介して粒子群画像処理用ソフト“カレント"(PTV法)にて処理し、その空間相関係数からトレーサー粒子の移動距離を演算、溶接池表面流動の瞬時の空間多点速度ベクトルとして計測し、数値化を行った。又この結果は同時に測定した溶接池表面の測温結果と併せ、表面張力温度係数や溶接池のPeclet数を求め、本研究における溶融池表面流動数値化の基本データとした。以下にその結果を要約する。
(1)トレーサー粒子の数値化された速度ベクトルは溶接条件により明らかに異なり、高S試料(S:100ppm)ではアーク柱を中心に、溶接池前方では溶接方向に向かって右廻りの、側方右側は左廻りの側方左側は右廻りの、及び後方では左右から溶融池中央に向かう傾向にあり、一方低S試料(S:7ppm)ではアーク前方では左右の流れがあり、側方では左側では左に、右側では右に、及び後方では左右に向かう傾向にある。又速度ベクトルより計測された流速Vは0.08〜0.6m/sの範囲にあり、熱入力を高め、シールドガスにHe、又はその混合ガスを用い、電極頂角を小さくすると上記範囲の高速側にシフトする。これらの結果は、溶接池表面流動の駆動力は、表面張力対流を示唆していると同時に、電磁力があるいはプラズマ気流等、他の駆動力も考慮の必要があることも示している。
(2)流速Vより求まる溶融池のPeclet数はいずれも20以上にあり、熱輸送の観点からは、流動の駆動力として表面張力対流を示唆している。
(3)溶融池の中央部(Tc)と周辺部(Tg)の表面温度はシールドガスにより異なり、熱入力約3kJ/sの場合、ArはTc:約2800K、Tg:約2300K、HeはTc;約2400K、Tg;約1900Kにあり、(T_C-T_E)はいずれも約500Kにある。これより高S試料と低S試料の表面張力温度係数(∂γ/∂T)を求めると、それぞれ1.44〜1.20N/m・K及び0.02〜0.05N/m・Kが得られ、且つ(1)、(2)を考慮すると後者の(∂γ/∂T)の符号は“負"であり、その際の溶込み性の指標である(d/w)比は、″正″の(∂γ/∂T)の場合より小さくなる。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 斉藤喜一: "ステンレス鋼TIG溶接部の溶け込み現象と溶接効率との関係" 日本金属学会秋期(第119回)大会講演概要集. 281- (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 斉藤喜一: "ステンレス鋼TIG溶接部の溶融効率とd/w比に及ぼすシールドガス並びに電極頂角の影響" 日本金属学会・日本鉄鋼協会北陸・信越支部連合講演会 講演概要集23GE02:1996. 131-132

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 斉藤喜一: "ステンレス鋼TIG溶接部の溶け込み現象に及ぼすシールドガス成分の影響" 日本金属学会春季(第120回)大会講演概要集. 228 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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