研究課題/領域番号 |
08650273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
佐野 妙子 東海大学, 工学部, 教授 (60013728)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 燃焼現象 / 量子分子動力学的研究 / 化学反応 / CH+N_2系 |
研究概要 |
本反応化学の分野においては、化学反応を分子の電子上体の変化として量子論を用いてab initio的に直接数値計算できるようになってきているが、流れや拡散を伴う実際の燃焼現象に適用できるまでには至っていない。燃焼現象の解析のためには化学反応、熱・物質移動等個々の現象の十分な把握とこれらの課程が同じ精度で定量化されている必要がある。このためには、熱・物質移動過程を分子動力学的に、化学反応過程を量子力学的に取り扱う手法が最適である。 研究では、化学反応過程を量子力学的に調べるアルゴリズムの確立を目的として、NOの生成に重要な反応CH+N_2=HCN+Nを対象とした。ab initioに計算できるプログラムシステムとしてはGaussian92を用いた。Gaussian92には、種々のレベルの基底電子状態の近似、基底関数が含まれており、高精度の結果を求める基底電子状態の近似・基底関数を用いると計算時間が長くなる。したがって、精度・計算時間をも考慮して、対象とする系に相応しい選択をする必要がある。 本年度は基底電子状態の近似・基底関数の精度を調べるために、基底電子状態の近似としては、Hartree-Fock近似とMoller-Plesset近似を、基底関数としてはGauss型関数3-21G,6-31Gについて計算し、反応によって発生する熱量を比較した。Hatree-Fock近似では、基底関数を3-21G、6-21Gと精度を上げていくにつれて、23.06kJ/mol、19.43kJ/molと発生する熱量は低下し、Moller-Plesset近似でも基底関数を3-21G、6-31Gと上げていくにつれて、発生する熱量は14.60kJ/mol、10.83kJ/molと低下するが、未だ、収斂値は得られておらず、より高精度の基底電子状態の近似・基底関数を用いる必要のあることが明らかになった。
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