研究概要 |
I.自励震動の防振装置として、粘性減衰をともなう動吸振器、クーロン摩擦をともなう動吸振器、インパクトダンパの3つの動吸振器の数値解析を行い、性能の比較を行った。 1.粘性減衰をともなう動吸振器は、大きな粘性減衰力を与えることにより振幅を零にできる。 2.クーロン摩擦をともなう動吸振器とインパクトダンパはそれぞれ、最適なクーロン摩擦力、最適な隙間と反発係数があり、その時の振動状態はそれぞれうなりとカオスである。よって、非周期状態を目安に最適防振を行えばよいことが予想される。 II.機械・構造物の防振と発電を同時に行う装置として,フラフ-プの原理を利用した防振・発電装置の研究を行った.これは,フラフ-プを発電機に接続した装置であり,これにより,主系の防振を行うと同時に発電を行う。実験と理論解析の結果は次のようにまとめられる。 1.フラフ-プ型防振・発電装置を一自由度の強制振動系に取り付けた場合,共振振幅を約1/3程度に防振し,あわせて発電できることを確認した. 2.動吸振器とフラフ-プ型防振・発電装置を組み合わせたハイブリッド型の場合,共振振幅を約1/5程度に防振でき,発電も行えることを確認した. 3.自励振動の防振にこの装置を用いると,カオス状の振動となり,渦励振の振幅を1/3程度にまで防振できる. 4.実験結果は数値解析結果と定性的に一致した. III.断片線的な非線形動吸振器の数値解析を行い、振動抑制領域が線形系の約2倍になることを証明した。また、本装置の方が、復元力が変位の3次関数で表されるタイプの非線形動吸振器よりも設計、製作が容易と思われる。
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