研究概要 |
本研究は,衝突ジェット法により実現された定常ロイトカの作用する系において,空気ジェットを断続させることにより脈動ロイトカの作用する系を実現させ,創生された脈動非保存力によるフラッター型不安定の生起の確認を行ない,結合共振,特に差型結合共振の実験的検証を与えることを目的としていた. 空気圧縮機,空気タンク,流量調節バルブおよびノズルからなる空気ジェット発生系に電磁バルブを付加して空気ジェットを断続させることにより脈動空気ジェットを創生した.関数発生器からの周波数信号によりバルブ駆動電流のオンオフをコントロールし,電磁バルブの開閉を行った:実現できた脈動力の波形は正強波状にはならなかったが,その周期性は実現できた. 片持ち支持された柱の先端に取り付けたアタッチメントに脈動空気ジェットを衝突させることにより,脈動ロイトカを受ける非保存系を構成した.アタッチメント表面材にナイロン不縁布を用いることにより方向係数がほぼ0のロイトカを,また表面材としてガラス板を用いることにより,方向係数がほぼ1の系を実現できた.定常ロイトカの場合と同様に脈動力に対してもフラッター型不安定の生じることを確認した後,脈動周波数と脈動振幅の組み合わせに対して共振実験を行ない,共振領域の確認を行なった.方向係数が0の系に対して4つの共振領域を,方向係数が1に系に対して2つの共振領域を確認した.そこで,それぞれの領域の代表点において,成分周波数の分離をデュアルデイケードフィルターを用いて行なった結果,方向係数が0の系では一次の単純主共振,二次の単純主共振,二次の単純副共振および一次と二次の差型結合共振の4つの型の共振が,また方向係数が0の系では二次の単純副共振および一次と二次の和型結合共振の2つ型の共振であることが確認できた.さらに.実験結果は共振領域の理論予測を定性的に裏付けることが確認された.
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