研究概要 |
超大容量変換器を実現するために,(1)デバイスの直列接続により,装置の高電圧化を図ったマルチレベルコンバータと,(2)結合リアクトルを用いて装置の並列接続して大電流化を図るという2方式を組み合わせたシステムを検討した. 1.低次調波消去式リアクトル結合3レベルコンバータシステムの制御 第5と第7調波消去作用のある結合リアクトルを用いた二重化システムにおいて,特定高調波除去方式パルス幅変調方式を適用することにより低スイッチング周波数で良好な波形制御が可能であることを明確にした. 2.リプル電圧注入方式の開発 直流側で並列接続されたリアクトル結合二重化コンバータにおいて,6倍周波数のリプル電圧を単相変圧器を介して直流リンク部に注入することにより,交流側電圧波形を12ステップから,36ステップさらに48ステップの低ひずみ波形にできることを示した. 3.新方式6相電圧形インバータの開発 2台の3相インバータから成る6相インバータにおいて,それぞれを直流側で直列接続し,その接続点と電源中点の間に補助単相インバータを直接接続して,6倍周波数のリプル電圧を注入して60ステップ出力電圧を合成できることを示した.本方式は,リプロ注入回路に変圧器を必要としないことと,非常に良好な波形が得られるので大容量電動機駆動用として実用性が大きい. 4.今後の課題 6相電圧形インバータでは,リプル電圧注入回路に変圧器を用いない回路を開発することができた.しかし,3相回路ではそれが未実現である.変圧器漏れインダクタンスが悪影響及ぼさない回路を実現するか,変圧器不要の回路の実現が3相方式の今後の最大の課題である.
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