研究課題/領域番号 |
08650336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小笠原 悟司 岡山大学, 工学部, 助教授 (40160733)
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研究分担者 |
藤田 英明 岡山大学, 工学部, 助手 (40238580)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | EMI / EMC / 高周波漏れ電流 / PWMインバータ / コモンモードトランス(CMT) / ノーマルモードフィルタ(NMF) / 雑音端子電圧 / アクティブコモンノイズキャンセラ / ACC |
研究概要 |
本研究では、電圧形PWMインバータを用いた可変速駆動システムが発生する放射性雑音と導電性雑音の両方の発生メカニズムを明らかにし、その低減法を確立する事を目的に検討を行なった。 まず、供試誘導電動機(3.7kW)を用いた実験と回路シミュレータを用いたシミュレーションを併用し、PWMインバータが発生する電磁雑音に対するモデルについて検討し、モータの高周波等価回路は三相端子とフレーム間の3つのコンデンサのみで表わしても十分な精度で模擬できることを実証した。また、この電磁雑音に対するモデルをベースに、コモンモード電流に対してだけ抵抗として動作しコモンモードの高周波振動を抑制する「コモンモードトランス(CMT)」と、スイッチング時に相間を流れる高周波振動電流にダンピングを与える「ノーマルモードフィルタ(NMF)」について検討を行ない、これによりそれらの機器の設計法を確立した。さらに、EMI抑制効果についての検討だけでなく、インバータのスイッチング時にモータ端子に現れるサージ電圧についても検討し、CMTとNMFがこのサージ電圧の抑制にも効果があることを理論と実験の両面から確認した。 一方、従来の抑制法とは全く異なり、能動素子を用いてコモンモード電圧を打ち消す「アクティブコモンノイズキャンセラ(ACC)」の提案し、実験によりその原理確認を行なうとともに、その設計法を確立した。このACCにより、EMIの抑制のみならず非接地負荷からの感電防止、モータ軸電圧とベアリング電流の抑制、漏れ電流の抑制にも非常に有効であることを実験的にて確認した。このACCについては、日本学術振興会を通じて日本国内と米国への特許の出願を既に終了している。 本研究で得られた成果は、パワーエレクトロニクス機器が発生するEMI/EMCの理論的・系統的研究の発展に寄与するものと考える。
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