研究課題/領域番号 |
08650360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
野村 滋 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10002859)
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研究分担者 |
遠藤 敏明 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (60002903)
福田 永 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10261380)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | シリコン酸窒化膜 / 極薄シリコン酸化膜 / 急速熱処理 / 電子捕獲 / 絶縁破壊特性 |
研究概要 |
64Mビット級の微細MOSFETに応用できる10nm以下の極めて薄いゲート酸化膜の形成を、赤外線加熱による新しい急速熱酸化(Rapid Thermal Oxidation:RTO)技術を用い、N_2Oガス雰囲気中と、NH_3ガス雰囲気中で行ない、形成された膜の物理的性質と電荷トラップ機構を明らかにした。種々の条件で形成された膜の評価を、膜厚、電圧-容量特性、界面準位密度、絶縁破壊特性等の測定により行った。また、酸化膜中の窒素および水素原子の挙動を、二次イオン質量分析法、フーリエ変換型赤外分光法により解析した。 窒素原子はN_2Oガス中およびNH_3ガス中で酸化したものの両者においていずれも取り込まれることが判明したが、NH_3ガス中で形成した膜にのみNHボンドが酸化膜中に認められた。解析的モデルにより酸化膜中の電荷トラップ、捕獲断面積、電荷トラップの発生速度を決定した。高電界ストレスの下で、N_2Oガス中で酸化した膜では電子および正孔のトラップは非常に少なく、また、電子捕獲中心の発生率も低く、その結果、大きな電荷/破壊比を示した。一方、NH_3ガス中で形成した膜では、NHおよびSiHボンドに起因する電子トラップが多量に存在していることが明らかになった。上の二つの異なったガス雰囲気中で形成された膜の電荷トラップ機構と、酸化膜の絶縁破壊特性の違いは、バルク酸化膜中の化学結合状態に強く関係していることが明らかとなった。 今後は、極薄酸化膜の構造は原子レベルで界面構造を評価する必要があるため、高分解能透過型電子顕微鏡、走査トンネル電子顕微鏡により評価、また、極薄酸化膜の絶縁破壊特性、電子捕獲特性、リ-ク電流といった電気的特性と酸化膜中の窒素および水素の分布、それらの結合状態のより詳細な検討を行い、形成酸化膜の性質を明らかにすることが必要である。
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