研究課題/領域番号 |
08650366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
国吉 繁一 千葉大学, 工学部, 助手 (30092050)
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研究分担者 |
工藤 一浩 千葉大学, 工学部, 助教授 (10195456)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 有機色素 / 積層構造 / フタロシアニン誘導体 / ペリレン誘導体 / キナクリドン誘導体 / 光電特性 / 光フィルタ効果 / 光電センサー |
研究概要 |
スペクトル可変型光センサの実現および設計指針を得るために、有機多層構造型の光電変換素子を作製し、有機色素に特有な光フィルタ効果やエキシトン解離効率のバイアス電圧依存性について詳細に検討した。具体的には、各種色素と積層膜の可視吸収スペクトル、電流-電圧特性、短絡光電流スペクトルおよびバイアス電圧印加時の光電流スペクトルの測定を行い、多層構造光電シミュレーションと比較した。光電特性の計算は光起電力効果、光の反射・透過・吸収を考慮したモデルによって行った。用いた有機色素は、p型半導体的性質を示すフタロシアニン誘導体、キナクリドン誘導体、n型半導体的性質を示すペリレン誘導体である。また、基板としてはガラス基板を、電極材料としてはITO、Au,Alを用い、それぞれの色素とのオーミック接触やショットキー接触を形成した。その結果、以下の知見を得た。 1.pnp型3層構造セル(Al/CuPc/PTCDI/QC/ITO)で、光電流スペクトルのピーク波長のバイアス電圧依存性が確認された。【.+-。】1.5[V]のバイアス電圧でピーク波長が600nmから650nmに変化した。 2.光起電力効果、および光の反射・吸収・透過を考慮した数値計算と光電流スペクトルおよびバイアス電圧依存性の測定結果の比較により、上記1のスペクトル感度のバイアス電圧による制御性は光フィルタ効果やエキシトン解離効率の電界依存性によるものであることが確認された。 3.各色素層の膜圧によりスペクトル感度が変化することがわかった。有機多層構造型光電変換素子のスペクトル感度設計に際しては、用いる色素材料の光電定数だけでなく各色素層の膜厚設計・制御も非常に重要であることが分かった。 以上の結果より、有機色素が持つ特有の透過・吸収スペクトルを利用したスペクトル可変型カラーセンサー開発への指針が得られたと考えられる。
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