研究概要 |
Nd-Fe-B系ナノコンポジット磁石について計算機シミュレーションを行い, (1)ソフト相を60%程度含み,粒径は20nm程度の結晶から構成される磁石で大きなエネルギー積が得られる. (2)結晶粒間の交換相互作用の強度にばらつきがあると,ばらつきのない場合に比べて,特性が劣化する. (3)結晶粒径を制御することにより,着磁特性に優れた磁石とリコイル特性に優れた磁石を作り分けることができる. が明らかとなった.この計算機シミュレーションの結果に基づき,上記の条件を満足するNd-Fe-B系ナノコンポジット磁石を作製することを試みた.その結果, (1)ソフト相60%程度含む磁石で優れた磁気特性が得られた. (2)粒間交換相互作用の強度のばらつきを抑制するために,硬質Nd_2Fe_<14>B結晶粒と軟質Fe_3B結晶粒の粒間に非晶質Fe-Si-B相を残存させ,磁気特性の改善を試みた.しかしながら,適当な結晶粒径と適度な残存非晶質の量を両立できず,特性の改善は達成できなかった. (3)非晶質Nd-Fe-B合金を結晶化する際の条件を制御することにより,着磁特性に優れた磁石リコイル特性に優れた磁石を作り分けることができた. なる結果が得られた.
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