研究課題/領域番号 |
08650391
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
工藤 勝利 明治大学, 理工学部, 教授 (00062000)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 電気トリ- / フラクタル / フラクタル次元 / カオス / 高分子絶縁材料 / 絶縁劣化診断 / シミュレーション / 絶縁体 / 高分子材料 / CT法 / 架橋ポリエチレン |
研究概要 |
本研究は、固体絶縁体中に生ずる絶縁劣化の主要因であるトリ-状欠陥のメカニズムについて、フラクタルの考えに基づき解析すること、及びそのトリ-状絶縁劣化の絶縁診断法を確立することを主な目的としたもである。本研究で得られた成果を以下に述べる。 1.連続セクショニング法と光CT法により、トリ-パターンの立体像の再構成とフラクタル次元の算出を行った結果、トリ-形状の変化とフラクタル次元の大きさとは密接に関係しており、トリ-形状のフラクタル次元による定量化が可能であることが明らかとなった。 2.トリ-進展時に得られた時系列での部分放電や放電発光の特性解析から、トリ-進展に伴う部分放電と放電発光の特性がカオス性を示すことが明らかとなった。また、これらの特性から求めたアトラクターのフラクタル性も明らかとなった。 3.成長確率と電位降下を考慮したトリ-のシミュレーション結果から、トリ-先端部における局部電界効果と進展時のランダム性が重要であるあることが明らかとなった。 4.固体絶縁体中のトリ-状欠陥のフラクタル解析の結果から、フラクタル次元が2以下で進展する疎なトリ-に関しては、比較的容易に全路破壊に至る傾向があることが判明した。このような事実から、トリ-パターンから求めたフラクタル次元の大きさがトリ-状絶縁劣化診断の一つの指標となりうる可能性のあることが明らかとなった。 今後は、実用的条件を十分踏まえ、フラクタル次元あるいはフラクタルの考えに基づいたトリ-状絶縁劣化診断のさらなる検討が必要と思われる。
|