研究課題/領域番号 |
08650412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
堀尾 和重 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (10165590)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | キャリア非平衡輸送 / ヘテロ接合バイポーラトランジスタ / エネルギー輸送モデル / 遮断周波数特性 / ガリウムヒ素 / デバイスシミュレーション |
研究概要 |
本研究は、極微細構造半導体デバイスの動作を数値解析するためのデバイスシミュレーションモデルの精密化を目的としてし始められた。特に、ナノスケールデバイスにおいて問題となるキャリア非平衡輸送を扱うためのいわゆるエネルギー輸送モデルの精密化を試みた。 ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)はキャリア非平衡輸送が特に顕著に現れるデバイスとされ、そのエネルギー輸送モデルによる解析もされているが、輸送式中の幾つかの輸送パラメータの与え方にかなり荒っぽい点があった。すなわち、それらの組成依存性や不純物濃度依存性が無視されたり、それらのキャリアエネルギー依存性が適切に考慮されていなかった。そこで、本研究では、モンテカルロ法と線形外挿法を用いることにより、任意の組成、キャリアエネルギーおよび不純物濃度に対して種々の輸送パラメータ(エネルギー緩和時間、キャリア移動度、upper谷の占有率等)を与える新たな手法を開発し、AlGaAs/GaAs HBTの解析に適用した。その結果、従来の簡易化した手法によるとキャリア速度オーバーシュートが過大あるいは過小に見積もられて遮断周波数特性が大きくずれることが示され、適切な輸送パラメータの値を設定することの重要性が明らかになった。本研究で開発した手法は原理的に、バンド構造が場所によって変化する他のデバイスに対しても適用可能である。また、本手法を用いてnpn^-n^+ AlGaAs/GaAs HBTの遮断周波数-コレクタ電流密度特性の詳細なシミュレーションを行ったところ、この特性に二つのピークが生じうることを新たに見出し、その物理的解釈も与えた。
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