研究課題/領域番号 |
08650415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
趙 新為 理化学研究所, ナノ電子材料研究チーム, フロンティア研究員 (50260211)
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研究分担者 |
一色 秀夫 理化学研究所, ナノ電子材料研究チーム, フロンティア研究員 (60260212)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ナノ微結晶Si / Er / 発光デバイス / Siレーザー / 光メモリー / 光通信 / レーザー / ナノ構造Si材料 / ルミネセンス |
研究概要 |
1. Er添加ナノ微結晶Si薄膜材料の作製と発光--本研究では、超高真空のnc-Si製造装置を用いてEr添加Siターゲットから高純度のEr添加アモルファスSi薄膜を作製し、Erを結晶の核にしてnc-Si材料を作製するプロセスを開発した。この過程において、Erがアモルファス相に歪場を導入し、Er自身が結晶の核として働く。Erの添加濃度を制御することによりSi微結晶のサイズが制御でき、結晶サイズを変えずに結晶相のシェアを増やすこともできる。このような特徴のあるナノ微結晶形成プロセスから、一個の微結晶にEr原子が一個添加されていると推測できる。この結果がErの発光効率を高めることになると考えられ、室温での強いEr発光をもたらすことになる。 2. Erを添加したポーラスSiの発光特性--本研究では液浸法を用いてポーラスSiにErを添加し、その発光メカニズムを明らかにした。Er添加したポーラスSiは室温において強い可視発光とErからの1.54μm発光を示す。可視発光はナノ秒の早い寿命をもち、Erの発光寿命はミリ秒である。従って、Er準位を光のメモリーとして用いることは十分可能である。また、Er発光は母体結晶の吸収端を測る良いプローブであり、Er添加ポーラスSiを用いて実証できた。 3. ナノ微結晶Si:Er発光素子の試作--本研究ではまず、室温で強い1.54μm発光するnc-Si:Er薄膜をレーザーアブレーション法を用いて作製した。Siのナノ微結晶化と酸素の共添加がErの発光効率を高めたと思われる。そしてSi基板上にEr添加ナノ微結晶Siの光り導波路を作製し、それをヘキ開して光り共振器を作製し、光励起により世界ではじめて1.54μmの室温レーザー発振を実現した。この結果はSiを用いた発光素子研究の大きなブレークスルーであり、Applied Physics Letters誌のレフリーからSiをベースにした光りエレクトロニクスの一里塚になると称された。
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