研究概要 |
1.3および4分岐導波路の構成法 入射側導波路と出射側分岐導波路の間にモード変換部を挿入することにより,導波路間に任意の比率で電力を分配できることを明らかにした.従来モード変換部としてテ-パ部と直線部を用いる方法を提案していたが,損失が大きく電力の分配率も大幅に変化させることができなかった.今年度,導波路幅を周期的に変化させた周期構造部と直線部を用いることにより,底損失で任意の比で電力を分配できることを明らかにした. 最近,分岐する部分の導波路間隔から有限の値から結合がなくなるまで分離するような構造に対する検討が行われるようになってきた.本研究の分岐の構成法はこのような場合にも底損失で任意の比で電力を分配できることを明らかにした.また.火災堆積法で作製可能な矩形のチャネル導波路からなる3分岐も2次元スラブ導波路と同様な構成法を用いることにより,底損失で任意の比で電力を分配できることを明らかにした. 2.5分岐導波の構成法 スラブ導波路モデルを用いて,5本の導波路間に電力を等分配できることを明らかにした. 3.6本以上の導波路間の分岐の構成法 レンズと回折格子を導波路の出射端に設け,自由空間に放射させる構造を考案した、そして,レンズの焦点距離と回折格子の周期長の組合わせに対する電力分配特性を検討し,マルチポート分岐へ適用できる可能性があることを示した. 4.3分岐拡散型チャネル導波路の試作 ソーダライムガラス中に銀イオン拡散させて3分岐導波路を作製し,電力分配特性を測定した.電力の分配率を変化できることは確かめられたが,予想したより変化の幅は小さかった.屈折率の高い拡散型チャネル導波路を作製する必要があることが分かり、現在作製中である。
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