| 研究概要 |
本研究では,高能率かつ高品質な領域分割符号化の実現を目的として,ボロノイ図に基づいた新しい符号化方式の構成技術に関して検討を行った.以下に研究成果の概要を示す.
1. ボロノイ図に基づいた領域分割手法
従来の領域分割符号化で問題となっていた領域形状の記述に要する情報量の増大に対処するため,母点の位置情報のみから構成可能なボロノイ図に着目し,これを用いて画像の内容に則した領域分割を行う手法を開発した.
2. 任意形状領域を対象とした変換符号化
上記手法によって分割した後の各領域の信号成分を効率良く符号化するため,任意形状の領域に適用可能な新しい変換符号化技術に関して検討を加えた.その結果,Schmidtの直交化に基づいた適応的な変換符号化方式が,演算量と符号化効率の双方の点でバランスの良い優れた性能を示すことが明らかとなった.
3. ボロノイ図に基づいた動き補償方式
動画像符号化において必須の技術である動き補償予測の性能を改善するため,ボロノイ図の領域単位で動き補償を行う方法について検討した.またボロノイ図と双対関係にあるドロネー図が三角形パッチ群で構成されることを利用し,パッチ単位のWarping予測とブロックマッチング法を適応的に選択する手法を開発した.シミュレーション実験の結果,提案手法は従来のブロックマッチング法と比較して,予測画像のSN比で2〜4dB高い性能を達成することが確認された.
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