研究概要 |
TMセンサによる7バンドのリモートセンシング画像の有損失圧縮法を研究した。テスト画像として、金沢市北部の河北潟を中心とした画像を用いた。 1.3次元DCT-スカラー・ベクトル量子化 バンド6は他の6つのバンドと空間解像度が大きく異なるので除き、画像のバンド間相関ならびに画像空間内の相関除去を3次元離散コサイン変換(DCT)により行った。DCT係数をF(i、j、k),i:水平8次、j:垂直8次、k:バンド方向6次変数とする。同一のi,j,k,の係数は性質が揃うので集めて1ブロックとする。直流係数は前置予測エントロピー符号化し、他はI+j+kの大きさ、つまり分散の大きさの違いにより、係数ブロックを5つのグループ(G)に分け,G1-3はスカラー・エントロピー符号化、G4は1*4のベクトル量子化(VQ)、G5は切り捨てた。ビットレート1-1.8bppの範囲で、bppが小さい程小さい電力のベクトルを多く切り捨ててVQし、1.2bpp以上でPSNR33dB以上を得た。 ウェーブレット変換とバンド間差分画像の量子化 バンド2を2段ウェーブレット変換し、方向別5次VQした後、他バンドと復元したバンド2の差分画像を作った。差分画像について、1で述べた3次元DCT、スカラーベクトル量子化を行い、総合において、1.より1.2-1.6bppの範囲で1.3dB高いPSNRを得た。 2CH完全再構成IIRフィルタバンク ウェーブレット変換用として、分析・合成各フィルタがそれぞれ直線位相で、分析ロ-パスとハイパスフィルタの振幅特性が近似電力相補をなす、2CH完全再構成IIRフィルタバンクの設計法を開発した。
|