研究概要 |
セルラニューラルネットワーク(CNN)は各セルが近傍のもののみと接続し,情報を交換するものであり,画像処理になどに適している.本研究プロジェクトに関して,幾つかの論文を発表し,その一部が次頁に示してある.これらの内容を次に列挙する. 1.電子回路の設計・シミュレーションにはSPICEが用いられているが,大規模回路では演算効率が悪くなる.ここでは,周波数領域での緩和法を用いて汎用的なSPICEで大規模回路を解析できるようなアルゴリズムを開発した. 2.ACL(Analogical CNN Language)を用いたシミュレータによって,切手の値段を検出するCNNを設計した.従来から,紙幣の認識にニュラルネットワークが用いられた例はあるが,幾つかの操作を組み合わせて正確に認識できるようにした. 3.ニューラルネットワークを高速で処理しようとすると,信号の伝達が送れ,配線中の漏話が問題になる.ここでは,波形の歪みについて議論した. 4.上記問題は線形回路に限ったことではない.特に非線形系では特殊な波形歪みが生ずる.このことを議論したのが4番目の論文である. 5.Chua回路はセルラニューラルネットワークのセルとして重要しされている.この回路を分布定数系で結合した時にカオス現象の発生することを議論したものである. 6.テンプレートの設計はある程度経験に基づいていたが,ここでは,シミュレート・アニーリングなる手法を用いた最適な設計手法を提案している. 7.その他,CNNの医用画像の診断支援システムとして,X線画像を用いた肺癌の検出システムそ開発した.また,超音波波形はノイズが多いので,幾つかの処理を組み合わせてノイズを除去し,心臓の働きを診断する支援システムを開発した.これを子宮中のベ-ビ-の脳の診断に応用することを考えている.
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