研究概要 |
本研究は,ロボットあるいは産業用ビジョンへの利用を目標として,性質の異なる2つの画像:距離画像と濃淡画像とを融合することにより,ロバスト性の高い,実用的な3次元形状の認識手法を確立することを目的としている. まず,両画像の性質を考慮し,ロバストに抽出しうる特徴に関して論じた.距離画像は,実時間入力を仮定した場合,一般に計測点数が数百〜数千点程度の粗い画像になる.そこで,形状特徴として,高い周波数成分を含むエッジ・頂点は用いず,平面と円筒面とのみに着目することとした.距離画像への局所的な平面の最小2乗当てはめ,法線ベクトルの算出を利用し,併合・分割によりなめらかな領域を抽出し,得られた領域を拡張ガウス球に写像してガウス球上での分布を計測することにより平面・円筒面の識別を実現した.一方,濃淡画像から抽出する特徴としては,直線エッジをとりあげた.以上で得られた2種の特徴,すなわち距離画像から抽出された平面・円筒面領域と濃淡画像から得られるエッジとを融合することにより3次元形状特徴を計測する手法を確立した. さらに,上記手法の応用の一つとして,ロボット群による分散センシングへの適用を行った.具体的には,ロボット群の各ロボットが距離画像センサ,濃淡画像センサを搭載している際に,各ロボットの位置・姿勢誤差を加味して上記のセンサフュージョンを行う手法を確立・定式化すると同時に,融合された結果に基づきデッドレコニングにより得られているロボットの相対位置・姿勢誤差を補正する手法を確立した.
|