研究概要 |
本研究は多指ハンドを用いた曲面状物体の把持に対する運動学,高コンプライアンス形触覚センサによる接触センシング機構,そしてこれらの成果に基づくインテンショナルセンシング機構の解明である. 物体表面が触覚センサのセンシング表面と接触したとき,触覚センサの各々のセンシング要素が物体の接触の大きさや形状に応じて変化する力並びに変位量の検出が可能で,各センシング要素の力と変位の関係は,センシング機構に基づくコンプライアンスで与えられることが示された.つぎに,高コンプライアンス形の触覚センサの試作が行われ,センシング要素と接触する物体表面形状の識別について実験的に検証を行っている. 物体表面の形状識別は微分幾何学の手法を用いて触覚センシングによって取得された変位分布に第1基本量ならびに第2基本量を導出し,接触点における局所的な物体表面形状のガウス曲率,平均曲率を導出し,また形状識別が可能であることを示した. 触覚センシングに基づくインテンショナルセンシング機構は物体表面上を探索する指の行動指標を求めるもので,その手法の指針を得ることができた.
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