研究課題/領域番号 |
08650522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岡 茂八郎 大分工業高等専門学校, 制御情報工学科, 助教授 (80107838)
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研究分担者 |
金田 嗣教 大分工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70040756)
榎園 正人 大分大学, 工学部・電気電子工学科, 教授 (40136784)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非破壊検査 / 磁気探傷 / 回転磁束 / サーチコイル / リサージュ波形 / 裏側欠陥 / 形状推定 |
研究概要 |
「新しい回転磁束形磁気センサーによる構造用金属材料の亀裂探査システム構築に関する研究」の目的は、「回転磁束形磁気センサー」の裏側欠陥に対する探傷能力向上と、検出信号を利用した欠陥形状推定に関する基礎的技術の開発である。我々は、この目標達成のために、試料表面近傍の欠陥による磁束の変化をXYZ軸に分離して測定できる「3軸サーチコイルを備えた低周波励磁回転磁束形磁気センサー」を数種類、独自に開発、試作した。試作した磁気センサーを使用して、5mm厚の軟鋼板やステンレス板の裏側欠陥検出実験や欠陥形状推定実験を行った。また、渦電流を考慮した有限要素法を利用して欠陥検出機構の解明を試みた。 実験からは、主に次の四点の結果を得た。第一に、この磁気センサーは、軟鋼板裏面にある深さ1mm、幅0.4mmの溝型欠陥をほぼ検出できた。第二に、ある程度深い欠陥であれば、欠陥の方向も一回の走査で良い精度で推定できたる。第三に、軟鋼板の溝型欠陥に対しては、励磁周波数が低いほど(2.5Hz)信号変化が大きいことや、ステンレス板の欠陥形状推定実験から、40Hzの励磁周波数を用いて、3軸サーチコイルの出力が明瞭に欠陥形状に依存していることを明らかとした。第四に、この磁気センサーは、欠陥から得られる情報量が多いことからニューロなどの信号処理アルゴリズムを利用した逆問題的手法による欠陥の位置や深さ、形状の推定の可能性もあることなどである。数値解析実験からは、この磁気センサーは、欠陥によるサーチコイルを含めた磁気抵抗の変化、欠陥による試料表面の漏れ磁束の変化、欠陥による誘導渦電流の流路の変化などを複合的に検出していることが明らかにした。 この研究で以上のような成果が得られたが、さらに今後、微小裏側欠陥の確実な検出や欠陥形状の正確な推定に向けて研究していきたいと考えている。
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