研究概要 |
石炭火力発電所から副産される石炭灰の中のフライアッシュを、より積極的に建設材料として使用するために、単位セメント量の1.4倍と多量に使用したハイボリュームフライアッシュコンクリートの圧縮強度,引張強度,動ヤング係数などの強度特性に及ぼす、フライアッシュの品質,養生温度(10,20および30℃)および細骨材率の影響について研究を行い、得られた成果をまとめるとハイボリュームフライアッシュコンクリートについて次のことがいえる。 (1)圧縮強度は使用するフライアッシュの品質によって影響され、SiO_2含有量や粉末度の高い良品質のものを使用すると各材齢の強度が高くなり、特に91日材齢の強度発現が顕著である。 (2)初期強度の改善に早強ポルトランドセメントの使用が有効であり、10℃とった低温時はそのセメントの使用や、単位セメント量を多くすることが望まれる。 (3)30℃養生を行うと、フライアッシュを多量使用したコンクリートの強度発現が顕著であり、夏期工事およびマッシブな構造物の工事での使用が推奨される。 (4)単位結合材量によって圧縮強度が最大になる最適細骨材率が存在する。 (5)品質のよいフライアッシュを用いると、コンクリートの引張強度も改善される。 (6)圧縮強度と動ヤング係数との関係は、配合,養生温度などの相違のかかわらず、一つの指数式で示され、両者はきわめて高い相関がある。
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