研究概要 |
コンクリート部材は土木構造物に広く用いられているが,その脆性的性質は最も代表的な短所の一つである.橋梁の床版,高欄への交通荷重の衝突を始めとして,電車の車止め壁への衝突,防波堤への船舶の衝突,山岳道路の各種防護構造物への落石,雪崩の衝突などによる災害,事故がかなりの頻度で発生している.このような構造物の設計法と現存のコンクリート構造物がどの程度の耐衝撃性を有しているかが求められていた. 多くの土木構造物に用いられているコンクリート構造の限界状態の一つである飛来物による衝撃挙動を調べるために、最初に衝撃実験の計測方法とその再現性に関していろいろな検討を行った.その後複鉄筋補強コンクリートはりに対して静的ならびに衝撃破壊実験を行い、崩壊荷重、破壊モードやじん性について詳細に検討を行い衝撃荷重下の破壊に関して知見を得ている.同時に不連続体の解析に有効である個別要素法を連続体の破壊に適用し、これらの衝撃現象を数値解析的にも明らかにしている.また,落石覆工のようにクッション材(通常は砂)がスラブ上にある場合についても衝撃力を中心とする衝撃挙動を実験結果を用いて明らかにしている.また不連続体の解析に有効とされている個別要素をクッション材に連続体の解析にもっとも用いられることの多い有限要素を覆工屋根部に適用するDEM-FEM結合解析法を開発し、その解析手法を用いて各種の条件下で解析を行い、最終的に無次元化した衝撃時間と衝突体と覆工の質量を用いた設計衝撃力評価式を提案した.
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