研究課題/領域番号 |
08650574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関口 秀雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20027296)
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研究分担者 |
小林 俊一 京都大学, 工学研究科, 助手 (10243065)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | X線 / 粒状体 / 可視化 / 流体 / 動的相互作用 |
研究概要 |
本研究では、まずX線TV透視システムを平面ひずみ圧縮試験やホッパー内流れの模型実験に適用し、その可視化手法の有効性の確認と、実験手法確立に関する基礎実験を行った。その結果、X線の照射条件をコントロールして管電圧150kV程度の硬い短波長のX線を用いることにより、密な飽和状態の砂質材料で10cm程度の供試体厚であれば問題無くX線透過画像が得られることが分かった。また間隙流体やセル水によって長波長(軟X領域)の散乱線が生じるため、画像のコントラスト改善を図る金属フィルターが不可欠である。密な豊浦標準砂の排水平面ひずみ圧縮せん断試験では、せん断帯が経時的に進展していく過程を捉えることが可能であった。さらに供試体中央部に直径0.5mmの鉛玉を混ぜることにより、粒子の経時的な変位をトレースできた。特にせん断帯近傍の粒子の動きを観察したところ、せん断帯の幅はD50の約10から18倍程度であり、せん断帯発生初期には体積膨張を示すのに対して、残留強度に至る前にせん断帯と平行の変位挙動を示すことが確認できた。また気乾状態の密詰め砂質材料のホッパー内流れの可視化実験では、4フレーム(約0.13秒間)にわたるアベレ-ジング処理をリアルタイムで行ってSN比を改善しながら、サンプリング周波数10ヘルツで画像を記録した。この画像をデジタル処理し、初期状態からの画素濃度の変化を強調することにより、ホッパーからの流出プロセスに伴ってホッパー出口周辺から密度の緩い領域がダイナミックに進展していく過程を可視化することができた。上記基礎実験の成果により、粒状体地盤と流体の動的相互作用を可視化できる目処が立った。地盤内のウォーターテーブルの位置や局所的にパイピングが生じた位置については可視化により定量的な観察が可能であるが、今後は液状化進展過程や間隙流体のマイグレーションを可視化する手法の確立が課題である。
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