研究概要 |
本研究は,振動荷重による土の締固め機構について考察を行い,締固め機械の最適な振動条件の決定方法,またこれらに及ぼす土質特性の影響,さらには現場における機械の効果的な使用方法の確率を目的とするもである.本年度は,上記の目的を達成するために,下記の実験と計算を行った. 1)振動締固め装置を用いた室内試験 昨年度制作した振動数と変位振幅の2要因を任意に変化させることのできる振動締固め装置を用い,振動締固め機械が地盤に与える締固め力と振動条件との関係について実験検討を行った.この実験より,振動締固め機械が地盤に与える締固め作用は地盤と機械の相互作用により大きな影響を受けること,ならびにそれに起因して個々の地盤に応じて締固め力を最大とする振動条件が存在することが明らかなった. 2)実機を用いた締固め実験 実物の振動ローラを用いた振動締固め実験を行った.実験では,土中の土圧,加速度,振動ローラが地盤に与える動荷重と締固めによる土の密度と剛性の変化を計測した.この結果,1)の室内試験結果と同じ現象が観測された. 3)振動場における粒状体の挙動に関する実験 砂質系の粒状土が振動を受けたときの締固め挙動を調べるため,振幅や振動数などの振動条件と土粒子の挙動に関する実験を行った.実験ではコ-クスを砕いて作成した粒状試料を振動させ,その振動挙動をコ-クスの電気抵抗の変化を計測することにより把握した.この結果,ゆるい粒状体が振動を受けると早期に粒子の移動が起こり,移動の大きさや密度の増加が振動加速度により決まることが明らかになった.しかしながら,粒子の相互移動で試料がある程度密になった後はさらなる高密度化は観測されなかった.このことから判断して土の締固め施工においては振動の揺すり込み効果による土の高密度化はほとんど影響してこないことが推察された.
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